マイルス・デイヴィスやダリも集ったマンハッタン“ロフト”の時代に着目した「W. ユージン・スミスとニューヨークロフトの時代」が6月7日まで、恵比寿『東京都写真美術館』で開催されていますが、詳細を細かく教えて。
恵比寿の東京都写真美術館で開催されている展覧会「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」について、詳細をご案内します。
この展覧会は、20世紀を代表する報道写真家W. ユージン・スミスが、1950年代後半から約10年間過ごしたニューヨークの「ロフト」での活動に焦点を当てた、非常に興味深い内容となっています。
展覧会の概要
- 会期:2026年3月17日(火)〜6月7日(日)
- 会場:東京都写真美術館 2階展示室
- 開館時間:10:00~18:00(木・金は20:00まで)※入館は閉館30分前まで
- 休館日:毎週月曜日(5月4日は開館)、5月7日(木)
- 観覧料:一般 700円 / 学生 560円 / 高校生・65歳以上 350円(中学生以下無料)
展示の詳細と見どころ
1. 「ロフトの時代」とは
1957年、雑誌『ライフ』を辞め、心身ともに疲弊していたスミスは、家族と離れマンハッタンの6番街821番地にあるロフト(倉庫を改装した住居兼アトリエ)に移り住みます。
ここには、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンクといったジャズ・ミュージシャンや、画家のサルバドール・ダリなど、当時のニューヨークを象徴する表現者たちが夜な夜な集まり、セッションや交流を繰り広げていました。
2. 独自の表現スタイル
スミスはこのロフトの壁に穴を開け、マイクを仕掛けてミュージシャンたちの演奏や会話を膨大なテープに記録しました。同時に、ロフトの窓から街の様子を撮影し、室内ではアーティストたちの剥き出しの姿をカメラに収めています。
- 〈私の窓から時々見ると…〉:ロフトの窓越しに捉えられたニューヨークの街並みや行き交う人々。
- 〈ジャズとフォークのミュージシャンたち〉:伝説的なミュージシャンたちの熱気あふれる姿を記録したシリーズ。
3. 展示構成
展覧会は全4章で構成されており、ロフト時代だけでなく、その前後の重要な仕事も網羅されています。
- 第1章 偉大な都市:キャリア初期の傑作〈ピッツバーグ〉シリーズ。
- 第2章 ロフトの時代:本展のメイン。アリゾナ大学からデジタル借用した貴重なアーカイブ資料も含まれます。
- 第3章 Let Truth Be the Prejudice:スミス自身が1971年に企画した回顧展の構成を再現。
- 第4章 水俣:晩年の代表作。アイリーン・美緒子・スミス氏と共に取り組んだ、報道と芸術が融合した到達点。
関連イベント
会期中には、スミスにまつわるドキュメンタリー映画の上映やシンポジウムも開催されます。
- 映画『ジャズ・ロフト』上映:5月16日、17日、24日、6月2日〜7日など。
- シンポジウム「W. ユージン・スミスとロフト」:2026年5月23日(土)14:00〜。アイリーン・美緒子・スミス氏らが登壇予定です。
報道写真の枠を超え、一人の芸術家として苦悩し、新たな表現を切り拓いたスミスの「空白の10年」を追体験できる、非常に濃密な展覧会です。